クルミとくるみ

うちにはトイプーのクルミがいます。
この子がうちに来る事になったきっかけを作った犬がいました。

愛犬初代くるみです。

4年前、私の誕生日に家族が近所で生まれた仔犬を貰って来ました。

おとなしい黒色の雑種でした。

家の中には4匹の猫がいました。
くるみはすぐに猫達と仲良くなり、猫のやることを真似て私の肩に乗ったり、高いところに登ろうとしたり。

喧嘩をする時は「猫パンチ」

お互い一生懸命パンチをしているのに
全然当たらない...
安心して見ていられました。
それどころか、可愛くて仕方がありませんでした。

くるみは生後2ヶ月で家に来たので
朝、お店に行く時も一緒。
営業中もおとなしく過ごしていました。

この子はとても頭のいい子でした。

人の行動を見ているのです。

私は愛煙家(?)です。
すると「これはこうするんだ•••」と
たばこを箱から出し口にくわえる様になりました。

本当にタバコを吸っているかの様にくわえる姿は
大ウケです。

でも万が一食べてしまう事を考えて、見えない所に置くようにしました。

そして「お金」です。

お店を経営しているので、お客さんとのお金のやり取りは1日中あります。
それを見ていたのか....

お金の大きさも分かった様で
$100、$50、$10が有ると$100を取り
$500、$100、$50を出すと$500を取りました。

しかも私の財布を開けて中からお金を出すのです。

お客さんが連れてきた子供が、くるみと遊んでいました。

子供は$10持って、お菓子を買おうとしていたようです。
子供が「お金取られた...」と言うのです。

ふと、くるみを見ると
笑みを浮かべているかの様な顔をし
私の横で、子供が持っていたとおもわれる$10札をくわえているでは有りませんか

さすがに、慌てました••••

店中、大笑いでした。

そんな楽しい日々が続いているある日

店に強盗がはいりました。

家族全員
拘束具で縛られました。
私はくるみが吠えたり動いたりしない様に片手でくるみを抱えた状態で縛られました。

くるみはおとなしく私の腕の中に居ながら
強盗をみていました。

お金や品物は盗まれてしまいましたが
大きな怪我も無く無事でした。

それから数ヵ月後

夜、店の外を掃除していると
見るからに不審な車が停まっているのに気づきました。
家族に知らせに行こうとした瞬間

くるみが吠えながら不審車に走り寄り、運転席にいる人に向かって威嚇し始めました。

くるみがこんな事をするのは初めてです。
しかも私の静止の言葉も聞こえない程興奮していました。

くるみに駆け寄ろうとした瞬間
不審車はくるみをひいて逃げました。

目の前でくるみがひかれました。

気が動転してどうしていいか分からず
「くるみ!」と叫ぶと
異変に気付いた家族やお客さんが出てきました。

苦しそうなくるみを抱き上げ、すぐに病院へ向かいました。

病院に着くと救急で処置をしてもらいました。

しかし、くるみは目を開けることはありませんでした。助ける事はできませんでした。

悲しくて、悲しくて•••
子供の様に思い、一緒に過ごした1年半

まだ、1年半しか生きてないのに!

一晩中抱っこして
一晩中お話をしました。

次の日、近所のお店に強盗が入ったと聞きました。

くるみは頭のいい子です。

私達の危険を感じて
あんな小さな体で
私達を守ってくれたんだ•••
と、胸が熱くなりました。

「ありがとう、 くるみ。でもずっと一緒に居たかった。ずっと楽しく暮らしたかった。生きてて欲しかった•••」

くるみを失った喪失感はひどく
食事もできない毎日を送っていました。

くるみが私たちを大切に思っていてくれた事
くるみだって死にたかったわけじゃない事
くるみの死を受け入れようとしていた時

仲のいい出入りの業者が
「家のプードルが妊娠してるんだ」とスマホの写真を見せて来ました。
「もうすぐ生まれるから、その中の1匹は ana にプレゼントする事に決めたよ。」

来る度にスマホの写真を見せてくれました。

大きなお腹の黒いトイプードルです。

何回目だったでしょうか...
「生まれたよ!anaのだよ!」
黒い小さな赤ちゃんプードルがお母さんのオッパイを飲んでいる様子を見せてくれました。

生まれて24日目、トイプーの仔犬がやって来ました。可愛い~

名前は勿論「クルミ」です。
くるみが帰ってきました。
姿を変えて私の所に帰ってきました。

2代目クルミは2才半になりました。

前世のくるみより、落ち着きも無く、やんちゃで感情豊かな子です。
頭のよさは••• ?

でもこの子の存在で日々の生活が変わりました。

クルミはくるみの生まれ変わりだと信じて
楽しく暮らしています。