アルゼンチンの牛肉事情

今日は天気の良い日曜日だったので、あちらこちらで肉を焼いている煙がたっていました。

香ばしい臭いが私の食欲まで呼び起こしました。

ひと昔前は日曜日、祭日、休みが有れば家族や友人が集まって肉を焼いていました。
誕生日、クリスマス、年末年始、母の日、友達の日、何でも肉です。

アルゼンチンは「牛肉国」と呼ばれるほど国民が牛肉を食べていました。

年間一人当たりの肉消費量は約110kg
( 内訳として 牛60kg 鶏40kg 豚10kg )
日本の7.5~10倍の消費量です。

日本人は年間消費量29kg

アルゼンチン人工4万人に対し牛はその3倍ともいわれています。

内訳を見て分かるように、アルゼンチン人は牛肉が大好きです。
反面なぜか豚を食べる人が少なく、豚肉を売っていない肉やも沢山あります。

14年程前だったでしょうか....?
アルゼンチンの大統領が交代し牛肉事情が変わってきました。

数年後、肉の値段が上がり出しました。

浮浪者も牛肉が食べれる国だったのが
一般市民の食卓も牛肉の代わりに鶏肉が食卓にのぼる事が増えたのです。

17年前に私達がアルゼンチンに来た時には
鶏肉専門店は殆ど有りませんでした。
豚肉も大きなスーパーの精肉コーナーか中国人街に行かないと手に入らないのが普通でした。

それが今や、少ないとは言え普通の肉やで豚肉や鶏肉が買えます。

鶏肉専門店も沢山できました。
鶏肉専門店では主に鶏全般、豚肉、加工品や冷凍食品を売っています。

インフレと共に家庭の食卓に上がる牛肉の回数も減っています。

17年前、挽き肉1kg $ 3 だったのが今は$700~900ステーキ用の肉も厚切り2枚で$20~30くらいで買えたのが今は$500以上

毎週楽しみにしていた焼き肉の回数も年々減っています。それに伴い小さな個人の肉やさんはつぶれてしまう所が続出しています。

アルゼンチンの肉料理と言えば
やはりアサードです。骨つきのばら肉を炭で焼いて食べます。味付けは塩。

肉用のタレとして作られる「チミチュリ」と言うものもあります。
パセリ、玉ねぎ、赤ピーマン、ニンニク、唐辛子などを細かく刻み油とお湯を注ぎ塩で味を整えたサッパリしてちょっと辛いタレです。

他に「クリオーシャ」パセリ、玉ねぎ、トマト、ニンニクを細かく刻み油と酢を注ぎ塩で味を整えます。好みで辛くしたければ唐辛子を刻んでくわえます。

アサードのお供は「チョリソー」スパイシーに味付けされた生ソーセージです。

街なかでも炭を焚き、肉やチョリソーを焼きパンに挟んでを売っている人が居ます。

チョリソーをパンに挟むと「チョリパン」
先ほどの「チミチュリ」「クリオーシャ」をかけて食べるとコッテリがサッパリとコタボして
とっても美味しい!私も大好きなチョリパンです。

家庭料理の肉は他に「ミラネッサ」があります。
薄く切った肉を叩き繊維を切って小麦粉、たまご液、パンラシャードをつけて油で揚げます。
アルゼンチンの牛カツです。
たまご液にはニンニク、オレガノ、塩、こしょう、マスタード等、各家庭で味付けが違うようです。
パンラシャードとはパン粉なのですが日本のパン粉とは違いサラサラした粒状です。
日本のパン粉が「サクッ」なら
アルゼンチンのパンラシャードは「ザクッ」です。
マヨネーズ、マスタード、ケチャップをつけて食べます。

挽き肉は「エンパナダ」南米ミートパイです。

こんな家庭料理まで牛肉から鶏肉へ代わっているのが現状です。

鶏肉のミラネッサ、鶏肉のエンパナダ
みたいな感じです。

牛肉離れをしているアルゼンチン人ですが
やっぱり牛肉が大好きなんです。

ですから日曜日、天気が良いとお庭に出てお肉を焼いて食べたくなってしまうんです。

きっと皆、昔のように沢山の牛肉をほお張りたいと思っているんだろうな....

因に私は牛肉派ではなく魚派です....