警察の捜査能力

アルゼンチンは治安の良い国ではありません。

銃社会では気を抜けません。

犯罪は必ずと言っていいほど銃が使われます。

日本ほど治安の良い国は無いと思います。

私達家族も犯罪にあっています。
強盗、空き巣、引ったくり、犬の毒殺......

しかし警察は動きません。

通報すれば現場には来ます。
ありきたりの質問をし、現場を見回し
警察署へ行き被害届けを出して下さい。
と言われて、警官は帰ってしまいます。

警察署へ行くと待ち合い室で待たされた
個室へ呼ばれます。

個室にはパソコンの前に座った警官らしき人がいてその前に座らされます。

その時の状況や犯人について、被害総額や盗まれた物などを聞かれ、パソコンに打ち込んでいました。

話が終わると、今までパソコンに打ち込んでいた物を印刷して渡され、「被害届けは受理されました」
で、終わりです 。

捜査もしません。現場検証すらしません。

犯人が捕まる訳がありません。
だから犯罪が減らないのです。

警察いわく 「現行犯じゃないと逮捕できない」

それなら何で調書なんて取るの?!
現行犯なんて偶然でしかないじゃない!

驚きと怒りが込み上げてきました。

警察がこんなだから
被害にあっても「 時間の無駄 」と通報すらしない人もいます。


場所によっては監視カメラが通り沿いに設置されています。

これも、ただ犯罪の様子を映像に残すだけ。
監視カメラが有ったから犯人を追い詰めた、なんてほんの一握り。

犯人は監視カメラが有るからと、犯罪を犯すのを止めたりしません。顔すら隠しません。

ほとんど無駄と言ってもおかしくない監視カメラ。

報道側はネタが手に入るのですから
重宝に思うのは当たり前でしょう。


つい2~3日前のニュースで凄いのが有りました。

80才の老人が銃を持って乱射
孫を人質にして立てこもっている。

と言うニュースでした。

この老人はボケか精神病なんだと思いますが
「 インディアンが襲ってくる。戦わないと殺される」と言っていたらしいです。

孫の保護、老人の身柄確保は出来たようです。


アルゼンチンには2種類の警官がいます。

警察署に勤務する警官と青い制服の警官です。

青い制服の警官は誰でもなれる警官でパトロールが主な仕事です。
「治安確保」と言う名目で募集されたようです。

そして、警官の乗り物も様々です。
車、バイク、自転車、馬

「馬?!」と思うかもしれませんが
街中では結構 見かけます。

もっと郊外へ行くと、馬を飼っている家も普通にあり、ガウチョなんかは未だに馬で移動してたりします。

そしてゴミ拾い。
馬に荷車を着けてゴミを集めてまわります。
ゴミと言っても家庭ゴミでは有りません。
段ボールやペットボトル、瓶やまだ使えそうな不用品などです。
これらを集めて業者に売って生活をしています。

アルゼンチンは働かなくても
子供が居れば子供の数だけ手当がでたり、最低限の生活保証があるので、職に就かず生活する人も随分いるようです。
この手当がバカにならず
車を買ったり、大きなテレビを買ったり
我が家より贅沢な生活をしているようです。

バカな話ですよね!
遊んでいてもお金を国から貰えるなんて!
働くのがバカバカしくなるのも分かりますが....

楽してお金を手に入れる事が当たり前なっているのです。
犯罪も同じ。
一度強盗に入ったら1ヶ月、2ヶ月は遊んでいても生活ができ、国からも補助金が貰える。
「リッチ」になります。
捕まらないんだもの...止められませんね。


話がズレてしまいましたが

結局、警察の捜査能力が低い、モラルが低い
と言うことでしょう。

小さな事は警官にお金を渡せばチャラになります。

知人が免許証の更新に警察署へ行ったのですが混んでいて、なかなか対応してくれなかったので、受付の警官にお金を渡し「時間が無いので早く手続きをしてもらいたい」と言ったら、あっという間に手続きが終わったそうです。

アルゼンチンはこういう国です。

だから犯罪が減らない。

捜査をして犯人を捕まえようとする気持ちも無い。

アルゼンチンの警官全員がそうだとは思いません。市民の為に命を落とした警官もいます。
でも私が今まで会った警官は皆こうでした。

治安というのは
法律と警察の捜査能力やモラルで決まるものなんだ... 。

実感したことです。